オヤジランナーの走日記

サブ3を目指す素人オヤジランナーのブログです。

ヒールストライクとフォアフット

 ナイキの厚底シリーズは、基本的にフォアフット走法に向いていると聞きました。実はズーム フライを履く前から、フォアフット走法に取り組み始めていました。複数の取り組みを同時進行で行っているので、その一つがこの走法です。またかと思われるかもしれませんが、ここでも間違った解釈と間違った動きで苦労することになります。

 常により良い走り方を模索する中で、『ヒールストライク走法』『ミッドフット走法』『フォアフット走法』がフォームにはあることを知りました。そんなこと今まで考えた事もなかったので、まずはこれらの走法を理解するところから始めます。

 多くの記述が、走りの基本は『ヒールストライク走法』と唱えています。骨盤が後傾している多くの日本人は『ヒールストライク走法』が合っていると言うのです。ここで又、知らない単語が出てきました。『骨盤の後傾』です。骨盤の後傾て何?何故骨盤が後傾しているとヒールストライク走法なの?走るって単純な事と思っていたのに、次から次へと知らなかった事実が出てくる。走るって単純だけれど奥が深い事に気付いたのです。

 私のフォームでは踵が減っていたので、踵から地面に接地するヒールストライク走法である事は確かでした。多くの人がこの走法で走っています。それが当たり前かのように。ヒールストライク走法が走り方の基本と、多くの記述が唱えていると書きましたが、これって本当に私の走り方として合っているのか?そう考える出来事がありました。

 骨盤の後傾と言う話しをしましたが、この単語を知った時に実際に調べてみて、日本人には骨盤が後傾している人が多く、アフリカの人には骨盤が前傾している人が多い。骨盤が後傾していると自然に踵から地面に接地するし、骨盤が前傾していると爪先側から地面に接地する。イラストも探して骨盤の後傾・前傾がどういった状態なのかも分かりました。


 ある日、風呂に入ろうと服を脱ぎ、ふと鏡に映る自分の姿を見たときの、腰の角度が気になりました。お腹が前に出て、お尻が後ろに突き出ている。これってイラストで見た『骨盤の前傾』じゃないの。もしかしたら、私にはフォアフット走法が合っているのではないかと、この時から考えるようになっていました。

 フォアフット走法と言ってもどうすればいいか分からない。とりあえず見よう見まねでやってみたのですが、ここから又間違った方向に向かってしまうのです。骨盤が前傾しているから爪先側から地面に接地するのは確かだと思うのですが、実は正しい脚の動きがあって、そこを理解していないと、悪い方向へと向かってしまうのです。後々気付いたのですが、爪先から地面に着く事だけを意識してしまい、爪先で地面を前方につつくような動作になっていたのです。着地するときにズッズッズと擦れる音がし、小指の付け根の外側辺りがよく磨り減るように成りました。その当時はそれが正しいフォアフットだと思い込んでいたので、そのフォームのまましばらく走り続ける事になります。しかし、あまり進んでいる感覚にはなりません。地面に対する押しが足りていないからだと思い続けるのでした。

 しかし、あまりにもしんどいので、1年程経った頃、フォアフットはしんどいから止めてヒールストライクに戻す事にしました。やっぱりこっちの方が力が抜けてラクだとその時感じ、ほっとしたのを覚えています。そのまましばらく走っていたのですが、何かぎこちない感覚が常に付きまとい、これが自分が目指している理想のフォームなのかと悩むのでした。

 そのようなぎこちないフォームのまま、10kmの大会に参加した時の事です。ここでも、それぞれ特徴のあるフォームで走っている方がいらっしゃいますが、その中で特に印象に残った方が二人いらっしゃいます。その一人の方はフォアフット走法に一見見えるのですが、ふくらはぎの筋肉は硬直して、爪先を地面に突き刺すように、まるでブレーキをかけるかのように走っていたのです。その姿は失礼ですが、とてもしんどそうに見えました。

 そしてもう一人、この方は逆に特徴がなく、とてもリラックスして走っているのに、それでいてとても速いのです。こちらがもがきながら必死で走っているのに、その方は涼しげにスーと私の横を駆け抜けて行ったのでした。どこにも力が入っていなく、効率的な動きがこれを可能にしているとは思いましたが、狐につままれた感じで呆気に取られました。このお二人の走りがあまりに対照的で頭の中に植え付けられたのでしょう。私も爪先でつつきながら走っている自覚があったので、前者の方のフォームに近いのは分かりました。ここから、新たな模索が始まります。